『ルチル(金紅石)』
(宝石日誌第158回 (2023年4月19日)より)
ルチルは単体で大きな結晶になることは稀ですが、他の宝石の中にインクルージョンとして取り込まれたものがよく見つかります。
水晶の透明な結晶にルチルが含まれた場合、ルチルの金色の線状結晶が、光が当たるとキラキラに輝いて、一転華やかな印象になります。写真のように原石の状態でも印象的な鉱物です。

ルチルインクォーツ、あるいはルチルレイテッドクォーツ、日本語では針入り水晶などの名前で親しまれています
(過去日誌参照:インクォーツ
http://gemlover.han-be.com/Gem/032_01_In%20Quartz.htm)
今回、ちょっと面白いルースを入手したので、ルチルについて少し掘り下げます。
ルチル(Rutile 和名:金紅石)は、二酸化チタン(TiO2)の結晶の一種で、19世紀初めにドイツの鉱物学者アブラハム・ゴットロープ・ウェルナーによって初めて紹介されました。
光が当たると赤味を帯びて見えることから、ラテン語の「rutilus(英語でreddish “赤味を帯びた”の意)」から名づけられました。

どうもすぐに宝石としての性質に目が行きますが、本来ルチルは金属含有量が約60%あり、チタンを抽出できる重要な鉱石鉱物です。
モース硬度は6-6.5とやや柔らかめで、比重は4.2とやや重めの鉱物です。
色は赤、赤褐色、黄、茶色あたりがよく見られますが、灰色、黒や紫などもあるようです。
金属成分が多いからなのか、光を当てると強い金属光沢を放ち、キラキラと輝きます。
特筆すべきは光学的性質で、屈折率(2.61–2.90)、分散率(0.280)ともダイヤモンド(2.417、0.044)を上回っており、強い輝きとファイア(光が屈折したときに散乱して虹色に光ること)が見られます。
この特性を活かして、20世紀中盤には合成ルチルが開発されて、一時期はダイヤモンド類似石としてマーケットを賑わしたようですが、分散が強すぎること、硬度が低いことがネックとなり、その後別のダイヤ類似石が開発されると生産は終わったとのことです。
今回入手したのは、この合成ルチルです。


直径5mmくらいの小粒の石ですが、ダイヤモンドと同じブリリアントカットに成形されていて、触れ込みどおり、光を当てながら向きを変えていくと、繊細かつ華麗に輝き、虹色のファイアが踊ります。
輝きでは、普通のイエローダイヤモンドを軽く上回ります。
写真では魅力を表しきれないのが残念です。
いずれ動画を撮って、ダイヤモンドやモアッサナイトなどと、きらめきぶりを比較してみたいと思います。
【ルビー 散歩拒否】
ルビーを散歩に連れて行こうと、クッションの上でゴロンとしていたところに声をかけたら、身軽に起き上がって、玄関とは反対のルビーハウスに入って横になってしまいました。
見事な散歩拒否の意思表明です ^_^;
それでも外の風には当たりたいのか、庭先のウッドデッキでひなたぼっこするのは大好きです。

庭や生垣で、久留米ツツジやモッコウバラが順番に咲いて、明るい彩りになってくれています。

