『石、割りました』
(宝石日誌第179回(2023年6月27日)より)
アクセサリー加工をしていて初めて、宝石を割ってしまいました。
2月の「浅草橋ミネラルマルシェ」で、ブリリアントカットの「イエロースファレライト」をついつい(?)購入していました。(http://gemlover.han-be.com/Event/E20230227.htm)

スファレライトはダイヤモンドを凌ぐほどのキラキラっぷりが持ち味の宝石です。
最近イエローダイヤモンドや黄色のYAG(人造石)を指輪に仕立てているので、キラキラ黄色の仲間としてスファレライトをデビューさせようと、昨夜指輪への組み付けを試みました。
スファレライトは硬度3.5〜4と軟らかいうえに、四方向すべてで満遍なく衝撃に弱い「完全な劈開性」があって、加工の難しい石だという知識はありました。
気を付けて作業をし、難しそうならすぐにあきらめようと考えていたのですが、そういうときに限って、指輪の空枠がちょうどジャストサイズで、石を載せるとストンといい位置にはまりました。
石の弱さを考えて、接着剤メインで留めようかとも思っていましたが、これなら接着剤なしで、爪を倒すだけでなんとかなりそうです。
やっとこで両側から爪を挟んで、力を掛け過ぎないよう、慎重に、少しずつ・・・
音は聞こえませんでしたが、突然、爪の当たっていたあたりの石の表面がさっと白くなりました。
やっとこを離して見てみると、石の一部がめくれるように剥がれました。やらかしました。
やっとこは石に当てていませんでしたが、爪を通して伝わった圧力だけでもスファレライトには強過ぎたようです。
お店の人が「スファレライトは簡単に割れてしまうので、加工を断る職人さんも多い」と言っていた意味が、この上なくはっきりと、実感として理解できた瞬間でした。
意味もなく「甕割り柴田」の故事などを思い出したりしていましたが、気を取り直して作業を再開し、残る爪をとにかく慎重に曲げ、なんとか指輪の形にしました。

できあがった指輪を見ると、カットが複雑でよく光を反射するため、思ったより欠けた部分が目立ちません。
光を当てて反射させながらじっくり見ると、テーブル面の中心が八角形になっていないといけないのに、全体の3分の1くらいが剥がれてしまっていることがわかります。

欠けた分輝きは鈍ったはずですが、さすがダイヤモンドの4倍の光の分散があるだけあって、ハンデがあっても強いきらめきを放ってくれます。
黄色いシトリンのカフリンクスと合わせるとなかなかいい感じでした。

欠けたことはしょうがないとして、今のまま指輪として使い倒そうと思います。
なお、欠けた部分以外も、ルーペで仔細に点検すると、石の内部のパビリオン(底)の方に、わずかに白っぽく濁ったような箇所が見られます。
これもおそらく、爪を曲げたときの圧力で、石の内部に細かいクラック(ひび割れ)が入ったのだと思われます。
指輪として普段使いしているうちに、小さな衝撃が積み重なって、ある日またパキッと割れてしまうことがあるかもしれません。
そうだとすると儚いものです。デビアスのコマーシャル風に言うと「スファレライトは数年の輝き」といったところでしょうか。
失敗はしましたが、色々と勉強になる経験でした。(とはいえまた同じことを再現するのは勘弁してほしいですが)
【散歩とか】
先週の動物病院での検診で、ルビーの腎臓の数値が少しずつ悪化しているとの話がありました。
年齢的にしょうがないようで、特段の治療もないそうですが、毎日できるだけたっぷり水を飲ませるといいと言われました。
おやつと違って、鼻先に持っていっても水を飲んでくれるわけではないので、工夫が必要そうです。
とりあえず部屋の中の水飲み場を2ヶ所に増やしました。
最近在宅勤務を増やしているのですが、今日は出勤日でした。
ルビーに早い朝食を食べてもらって、出勤前に散歩に出ました。

