『琥珀』
(宝石日誌第16回 (2022年9月14日)より)
第16回の前半で、琥珀(アンバー)についてお伝えしたいと思います。
【琥珀の由来】
琥珀は、太古の木の樹液が樹脂として固まったものが地中に埋まり、長い歳月を経て姿を変えたもので、化石の一種でもあります。

【琥珀の特徴】
琥珀の色は薄いレモン色から濃い褐色まで様々で、表面に樹脂特有の柔らかいツヤがあります。
加熱や染料を加えることで、赤褐色や青っぽい色に変えたものが売られることもあるようです。
また、琥珀はその多くが、紫外線を当てると発光するようです。
とても柔らかく、化学薬品にも弱いので、扱いには慎重さが必要となります。
【合成琥珀】
細かく砕いた琥珀を溶かし、圧縮して再生した「圧縮琥珀」という人工的な琥珀もあります。
天然物より丈夫で色も良く、アクセサリー使いなどで重宝されるそうです。圧縮琥珀の製法の歴史は古く、数百年も前から作られていました。

(これは圧縮琥珀で、紫外線で蛍光を示しています。)
注意すべきこととして、再生琥珀を天然物と偽って販売する不正もときどきあるようです。
購入の際は信頼できるお店でお買い求めになるのがいいようです。
【異物の混入】
ちょっと面白いのは、琥珀の中に虫や植物が入っていることがあり、そういったものは通常より価値があって、より高値がつくということです。
普通の品物では、虫が混入していたら不祥事件ものですが、琥珀だとそれが価値につながるわけです。
特に恐竜時代の蚊を閉じ込めた琥珀は、恐竜のDNAを解析し、ジュラシックパークを作るためにハモンド財団が高値で買い取ってくれるかもしれません。
(2023/2/13一応補足 : 琥珀の中の蚊から恐竜のDNAを抽出することが無理な理由
・当時の恐竜の大半は、全身がケラチン質の丈夫な皮で覆われていて、昆虫が吸血すること自体が難しかったと思われます。
(獣脚類で空を飛ぶ種類なら、羽毛の下の皮が柔らかくなっていてワンチャンあったかもしれませんが)
・吸血昆虫は、何も血を保存するために吸血しているわけではなく、自分の栄養にするためにせっせと吸っているわけです。吸血後は速やかに消化活動が始まりますので、琥珀に閉じ込められたときに原型をとどめている可能性は低いです。
・そもそも数千万から1億年を超えるほどの長期間にわたって、DNA構造は保存されません。)
なお、通常の琥珀より新しい年代のものがあり、やや色合いが薄く透明に近いこれらについては、通常の琥珀「アンバー」と区別して「コーバル」と呼ばれています。見た目以外にも相違があって、地面の下にいた期間が短いため、通常の琥珀よりもろいようです。
なお、火にくべるといい香りがするそうです。