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『辰砂(シナバー)』 

宝石日誌第18回 (2022916日)後半より)


辰砂(Cinnabar)は、はっきりとした赤い色を見せる鉱物です。
古来絵の具の原料として広く利用されてきました。

この鉱物は硫化水銀に由来する強い毒性を持っています。毒があるにもかかわらず(あるいはむしろそのゆえにこそ)、長寿をもたらす薬の原料とされることがありました。
一説には、秦の始皇帝は、不老長寿の薬として辰砂を嗜んだために、却って寿命を縮めてしまったと言われています。

モース硬度は2-2.5と、とても軟らかい鉱物です。
辰砂には、鉱物の中で比重が最大級であるという面白い特徴もあります。
ダイヤモンドが比重3.5であるところ、辰砂の比重は最大で8.0です。池に落としたらすぐに沈んでしまって見つからなさそうです。


最近宝石界隈の一部で、辰砂が注目されているようです。
何か新しい活用法が見つかったわけではなく、市川春子の漫画「宝石の国」で、主人公の大事な友人として辰砂が登場した影響のようです。

なお、自分用には、毒を気にしなくてもいいように、母岩の中に辰砂が封じ込められた標本を買いました。