『ロードクロサイト』
(宝石日誌第34回 (2022年10月5日)より)
「ロードクロサイト」と言ったときには、半透明から不透明で「インカローズ」という商品名で売られているものと、あまりメジャーではないですが透明な宝石質のものと、2種類が市場に出回っています。
鉱物としては同じものを指すのですが、順にご説明します。
【どんな名前で呼ばれても...】
ロードクロサイトは、マンガンの炭酸塩化合物です。
モース硬度4と柔らかく、特定の方向に割れやすい劈開性があります。表面にはガラス状または真珠状の光沢があります。
薄黄色や褐色を呈するものもときに見られるようですが、マンガンに起因するバラのようなピンク色が最大の特徴です。
鉱石名もギリシャ語の「rhodes(バラ)」と「chros(色)」という言葉に由来しており、「バラ色の石」の意味になり、和名も「薔薇輝石」です。
ロードクロサイトのうち、全体は半透明から不透明で、ピンクと赤っぽいピンクがうっすら縞模様をつくっているものを「インカローズ」と呼びます。

最初に発見されたのが13世紀のアルゼンチンで、その頃はインカ帝国の末裔である原住民が採掘に当たっていたことから、インカのバラ「インカローズ」としたようです。
比較的安価で売られており、ファッションジュエリーやハンドクラフトの素材によく使われています。
【...美しさに変わりはありません】
濃淡の縞模様がない通常のロードクロサイトは世界各地で産出しますが、透明度が高く美しい宝石質のものが見つかることは稀でした。
その中で、アメリカ コロラド州のスイートホーム鉱山では、評価の高い透明なロードクロサイトを産出していました。
透明なローズピンクの石は、インカローズのカジュアルなイメージとは異なる冴えた輝きがあり、ブリリアントカット等の光を活かすカットを施すと、さらに美しさが際立ちます。

内側からネオンのような光を放つとされる別の宝石になぞらえて「ピンクのパライバトルマリン」と評する人もいます。
スイートホーム鉱山は閉山と再開を繰り返していましたが、採掘量が尽きたことから残念ながら2004年に完全閉山しました。
それ以降宝石質のロードクロサイトの稀少価値は高まり、価格も上昇しています。
柔らかく傷付きやすい石なので、他の宝石と一緒に保管したり、鋭利な金属に当てることは避ける必要があります。
また、紫外線や湿気にも弱く、変色する恐れがあるので、湿気がなく暗い場所に保管する必要があります。
【本日のお散歩】
ルビーと散歩に出たら、行った先で雨が降り始めました。
結構大粒でしたが、それほど激しくはなかったので、雨宿りせずそのまま歩いて帰りました。
週末までは雨模様で、気温も下がるようです。昨日までは暑かったけどいよいよ本格的な秋が来て、気づいたら冬になっているのでしょうね。
