『ベニトアイト』
(宝石日誌第87回 (2022年12月18日)より)
【サファイアより美しい青】
ベニトアイト(Benitoite 和名:ベニト石)は、バリウムとチタンを主成分とする珪酸塩鉱物です。
20世紀初め頃に、アメリカ カリフォルニア州のサンベニト郡ディアブロ鉱山で、鉱夫により偶然発見されました。
見つかった石は、当初サファイアだと思われていたようですが、分析の結果新種の鉱物だとわかり、発見された土地の名前を取ってベニトアイトと命名されました。
日本人鉱物学者の堀秀道氏は生前、ベニトアイトとアウイナイトを評して「カットして宝石にすると、サファイアに似て、サファイアよりきれい」、「大粒の石がまれ」と書いています。
なお、ベニトアイトは、同様にアメリカで発見されたレッドベリル
、ロードクロサイトと併せて「アメリカ三大稀少石」とされています。
個人的に、赤ではレッドベリル、青ではベニトアイトが一番好きな石ですので、私とアメリカの大地とのシンクロ率は高いようです。
【優れた光学特性】
モース硬度は6-6.5と、宝石の中ではそれほど硬い方ではありませんが、衝撃で特定方向に割れやすい劈開性がないため、加工性は良好な石です。
菫色を含んだ深い青の発色と、多彩な光学特性が、この石の美しさを際立ったものとしています。
◯複屈折性、高い分散率
石に差し込んだ光を表面で2本に分けて屈折させる「複屈折性」を持っています。
また、光の波長によって屈折率が異なり、宝石の中で光が虹色に散乱する特性を「分散率」で表しますが、ベニトアイトの屈折率は0.044〜0.046と、ダイアモンド(0.044)に匹敵します。
これらの特性によって、カットしたベニトアイトは、まるで青いダイアモンドのようにキラキラと輝き、虹色のファイアを見せます。
◯多色性
見る角度によって色が変わって見える「多色性」も強く、濃青色から淡青色や無色、あるいは菫色にと、2色の移り変わりを示します。
ただし、多色性はある程度大きさのある結晶でないとわかりづらいので、実物で確認できるチャンスはあまりないかもしれません。
◯蛍光性
ベニトアイトには一部に蛍光性を持つものがあり、紫外線を当てると光る場合があるようです。
なお、ベニトアイトと言えば青ですが、先日ピンクのものを売っているのを見かけました。
【既に“幻の宝石”に】
宝石質のベニトアイトは、世界で唯一、サンベニト郡のディアブロ鉱山からしか採れません。
その鉱山は既に2000年代に閉山してしまっています。かつて鉱山に続いていた道も環境問題を理由に通行禁止とされる徹底ぶりで、新たな産出はもう期待できません。
後は業者のストックが細々と供給されるのみです。
また、もともと大粒のものはほとんど取れず、市場では既に0.5ct以上の石を入手することはかなり困難になっているようです。
写真のベニトアイトは、文京区白山のデザイン工房AmE’Sさんで購入した0.11ctのメレサイズのものです。


このサイズでも諭吉が簡単に何人も飛んでいきます(この石はだいぶディスカウントしていただきましたが)。
以前「マツコの知らない世界」というテレビ番組で紹介されたベニトアイトは、3ctで1,500万円だったそうです。
これだけ稀少価値を吹き込まれてしまうと、単純な私としては、黙って見ているうちに買えなくなってしまうかも、と妙な焦りを感じてしまいます ^_^;
そこを見透かされ、「いい石があるんですよ、旦那」的な話法に見事に釣られて、一丁お買い上げしました、ベニトアイトの指輪を(御徒町のニミットジェムスさんにて)。

日没直後の夜空のようなベニトアイトの藍色を脇のダイアモンドが引き立てて、シンプルながら存在感のある指輪です。
今年の結婚記念日の贈りものになりました。
ベニトアイトは最高の青、と個人的には思っていますが、なかなか買いにくいゾーンに入ってしまったのも事実です。
とはいえ、宝石の値打ちは元々見る人の心のうちにあるものです。
ベニトアイトを気に入って買ったとして、そのことを後悔することはないだろうと思います。
【本日のお散歩】
寒くなる予報でしたが、昨夜からの雨も上がって割と暖かい朝でした。
散歩中にCM撮影の現場(自治会承認済)に行き当たりました。
人がたくさんいるのでルビーが近づきたがりました。立っていた交通整理の人の足元に近寄っていくのを引き戻したりとか。皆さん仕事中だからねぇ。

今日の散歩のペースはゆっくりだったので、早めに家に戻るのかと思ったら、ゆっくりじっくり歩いていって、とうとう海辺に出ました。

ぐるりと大回りして帰ってくると、近所の方に会って、おールビーちゃん久しぶり〜 とか言いながらルビーを撫でてくれました。
とうとう撫でてもらえて嬉しかったようで、そこからルビーはスキップで帰りました。
よかったね、ルビー。