『カイアナイト』
(宝石日誌第44回 (2022年10月15日)より)
【最近伸びてる青い石】
カイアナイトはアルミニウムの珪酸塩鉱物で、鉄やチタンの微量元素の影響で美しい青を現します。これはブルーサファイアやユークレースと同じ発色の仕組みです。


後から述べる理由で、同じ結晶の中で硬さに違いがあり、モース硬度は4〜7.5です。また、特定方向の割れやすさ
(劈開性)も見られます。
加工する際には、低い方の硬度が問題になりますので、実用上の硬度は4とみなせます。実際ミネラルフェア等では、一部が欠けたり、小傷がついたりした「訳あり」のカイアナイトをよく見かけます。
アクセサリーに仕立てるにはその傷つきやすさが気になりますが、比較的廉価で、素直な美しさを持った親しみやすい宝石だと思います。

【豊富なカラバリ】
カイアナイトは18世紀の終わり頃に新種の鉱物として登録されています。
その色にちなんで、「シアン」の元となったギリシャ語「Kyanos(暗青色)」から命名されたと考えられています。
和名も色から取って、「藍晶石」というきらびやかな名が与えられています。
名前は青を意味しますが、その後グリーンや、無色、ホワイト、グレー、イエロー、オレンジ、ピンクなど幅広い色のものが見つかっています。


【二硬石】
カイアナイトは、結晶面に対する方向によって、硬さ、割れやすさが大きく違うという特性を持っています。
カイアナイトの結晶は、四角柱の形をしているのですが、この四角が平たい形をしています。
このうち、より広い平面に平行な方向は硬度4で、とても割れやすい「完全劈開性」を持っており、この面に直角な方向は硬度7.5で、やや割れやすい「不完全劈開性」を示します。
同じ結晶中で方向により硬さが違うことから「二硬石」との異名があります。
【市場でのカイアナイト】
カイアナイトは、深い青のものや、最近になって発見されたオレンジのものの人気が高いようです。
脆く傷つきやすい石なので、あらかじめ樹脂等を浸み込ませて石を強化する「含浸処理」がなされていることが一般的です。
比較的低圧環境下で生成されやすい鉱物であるためか、産出量には比較的ゆとりがあるようです。そのため、求めやすい価格で市場に出回っています。
ハイジュエリーには並べられませんが、カイアナイトの美しい発色とガラス質の光沢は、価格以上の価値を与えてくれるものと思います。
【本日のお散歩】
早朝にはほんの少しの弱い雨が残っていましたが、気にせず散歩に出たときにはもう上がっていました。
ルビーも快調で、鼻歌混じりにずんずんリードを引っ張って歩いていました。