『ダイオプサイド』
(宝石日誌第52回 (2022年10月24日)より)
【ドで終わる名前】
ダイオプサイド(diopside)は、カルシウムとマグネシウムを含む珪酸塩鉱物の一種で、ヒスイ輝石(本翡翠)などと同じ輝石の仲間です。和名は「透輝石」となります。

珍しいことに、「ダイオプサイト」ではなく、末尾は「ド」です。
鉱物の名称は、ギリシャ語で石を表す「lithos」に由来する接尾語「-ite」がついて「〜イト」となることが多いのですが、その例外となっています。
ダイオプサイドは複屈折性が強く、石を通した像が二重に見えることから、ギリシャ語で「二つの(di)」「面(optis)」という言葉を合わせて「diopside」と命名されたと言われています。(諸説あります)
命名は18世紀の終わり頃と、古くから知られた鉱物ですが、宝石として本格的に流通するようになったのは、1980年代にロシア シベリア地方で、宝石質の緑のダイオプサイドの鉱脈が見つかってからのことです。
モース硬度は5.5〜6.5で、特定方向からの衝撃への弱さを示す「劈開性」は「二方向に完全」となっていて衝撃に弱いため、取り扱いには注意を要します。
【クロムダイオプサイド】
宝石質のダイオプサイドにはいくつかの種類がありますが、代表的なものは、クロムを含有して鮮やかな緑を示すクロムダイオプサイドです。

主な生産地はロシア シベリア地方で、産地とその深い緑にちなんだ「サイベリアン
エメラルド」とのニックネームがあります。
エメラルドと比較して、ダイオプサイドは内包物の少ない透明な結晶が多く、加熱や樹脂充填といった加工処理も行われていません。
【スターダイオプサイド】
ダイオプサイドの中には、内包物の影響で、入射した光を複数方向に反射する、いわゆるスター効果を見せるものがあります。

スター効果のあるダイオプサイドは、ほぼ黒に近い不透明な石で、4方向に十字状のスターが見られます。
【その他】
その他以下のような種類があります。
・ビオラン
菫色〜紫
・カナアナイト 白色
・ラブロバイト 緑(バナジウム発色)
・トラバーサライト 緑〜茶色(イタリア産)
ダイオプサイドの中でも特にクロムダイオプサイドは、衝撃に弱くやや柔らかいことにこそ注意が必要なものの、クリアで美しい緑は、エメラルドやツァボライトなどにもそうそう引けは取りません。 (なぜか華がないように感じられて個人的には今一つ惹かれないのですが・・・)

ロシア以外の産地からの供給も増えつつあるとのことで、引き続きかなり廉価に入手可能な状況が続くと予想されます。
取扱いが増えてくれば、今後人気が高まる可能性もありそうです。
【本日のお散歩】
暖かかった昨日から、今日の気温は10℃ほども下がるようです。
きっちりセーターを着込んで朝散歩に出発しました。
ルビーはこのくらいの気温だとむしろ調子がいいようで、スタスタ歩いて、ちょっと遠出しました。

秋が深まっていく中で、つるバラやシャリンバイの実がなっていました。


シャリンバイの実は人間の目には黒く見えますが、哺乳類と違って色覚が退化しなかった鳥たちには、きっと冬を迎える前の貴重な食事のありかを示す、深く鮮やかな色に見えているのでしょうね。