『ジェダイト(翡翠輝石)』
(宝石日誌第76回(2022年12月3日)前半より)
翡翠は、中国や日本で古来から愛されてきた石です。
中国でも日本でも、透明な石はあまり好まれず、史書に登場するのも半透明の玉や、玉で作られた杯や璧ばかりです。
先史時代から透明な宝石を好んだ西欧との美意識の差異を表していて興味深いところです。
過去に翡翠と呼ばれて珍重されてきた石には、「ジェダイト(硬玉」とやや柔らかい「ネフライト(軟玉)」の二種類がありました。
このうち、現在翡翠として取り扱うのは、ジェダイトだけです。
【ジェダイト(翡翠輝石)】
ジェダイト(Jadite 和名:硬玉、翡翠輝石、本翡翠)は、縄文時代から宝飾品に使われてきた、歴史のある宝玉です。
2016年には日本の国石に指定されています。

ジェダイトは珪酸塩鉱物の一種で、蛇紋岩中に生成される「輝石」の仲間です。
モース硬度は6.5‐7と比較的硬い鉱物です。
目に見えない小さい結晶が重なり合って形成された稠密な粒状組織となっているため、割れにくさを示す「靭性」が極めて高いのが特徴です。
翡翠は、糸魚川周辺などで、日本でも上質のものが採掘できる数少ない宝石の一つです。
翡翠と言えば、最高級の「琅玕(ろうかん)」をはじめ、緑色の石というイメージがありますが、実際には他の宝石と同じように、微量元素の含有等によって、以下のように豊富なカラーバリエーションを示します。
◯翡翠の色
無色、白、黄、黄緑、緑、ピンク、赤、オレンジ、青、紫、黒 等

なお、鳥の翡翠(カワセミ)の羽の色は構造色を含んだ青緑色ですが、石の翡翠(翡翠)は、その色が似ていたことから、鳥のカワセミにちなんでその漢字がそのまま用いられたとのことです。

※鳥造さんTwitter(https://twitter.com/toraorat/status/1642729007685988352?s=20)から引用
空を飛ぶ翡翠が先にあって、地に降りた石(玉)の翡翠は後から来たわけです。
カワセミの仲間の赤翡翠(アカショウビン)なんかは、実際にそういう宝石がありそうです。