『ガーネット(その他)』
(宝石日誌第40回 (2022年10月11日)より)
デマントイドガーネット、ツァボライト、ベキリーブルーガーネット以外のガーネットの種類の全体像を記します。
ガーネットという鉱物グループは、主成分がアルミニウムのものと、カルシウムのものに大きく2分されます。また、それぞれが化学組成の違いによって、さらに細かい種類に分けられます。
◯アルミニウム系ガーネット
・「パイロープ 」 血のような赤色
・「アルマンディン」 黒っぽい赤色
・「スペサルティン」 橙色、黄色、赤色
◯カルシウム系ガーネット
・「グロッシュラー」 緑色、無色、黄色、金色、褐色など
・「アンドラダイト」 緑色、褐緑色、黄緑色、黒色、黄色など
・「ウバロバイト」 深緑色
主な種類はこの6種類ですが、ガーネットの場合、さらにこれらの成分が混ざり合った「固溶体」の区分があり、グループに一層の彩りを加えています。
主な例は以下のとおりです。
・「ロードライト」 ピンク、ワインレッドなど(パイロープとアルマンディン)
・「マラヤ」 ピンク、橙、赤、茶色など(パイロープとスペサルティン、ときにアルマンディン)
・「マリ」 緑色・黄色・赤茶色・茶色など、バイカラー等の複色あり
(グロッシュラーとアンドラダイト)
主な種類を色別にご紹介します。
【赤系のガーネット】
◯アルマンディンガーネット
ガーネットの中で最も多く存在するといわれ、昔から宝石としてのみならず、紅殻(べんがら※)と呼ばれる研磨剤としても利用されてきました。

多くの人がガーネットと言われて思い浮かべる石と思われ、単に「レッドガーネット」として販売されている場合は、おおむねこのアルマンディンガーネットであると思われます。

赤の発色は鉄分によるもので、ルビーよりも黒っぽい濃赤色が特徴です。
(※脱線:「べんがら」については、ゼラズニィの「真世界アンバー」シリーズで知りました。シリーズ名が宝石から取られている以外に作中それほど宝石は出てきませんが、華やかでスタイリッシュな登場人物と、クラシックで哲学的な世界観が新鮮です。古い小説ですがお勧めです。)
◯ パイロープガーネット
産出の少ない種類です。
基本的に赤系ですが、紫がかった赤、純粋な赤、オレンジレッド、ローズレッド、ピンクなどと色合いは豊富です。
パイロープ自体は無色で、アルマンディンと混ざることで赤色が生じると考えられています。発色は鉄に加えて、クロムの影響があり、その成分比によって色が変わると考えられています。
◯ ロードライトガーネット
アルマンディンとパイロープの混ざり合ったもの(固溶体)で、パープリッシュレッドの色合いが特徴的です。

【オレンジ系のガーネット】
◯ スペサルティンガーネット
アルミニウムガーネットの一種で、鮮やかなオレンジカラーが印象的な宝石です。

ガーネットはおおむね内包物の少ない鉱物なのですが、スペサルティンは例外的に宝石になるような高品質のものが少なく、大粒なものがなかなか市場に出回らないと言われています。
スペサルティンガーネットの中でも、特に赤みのある深いオレンジをしたものは「タンジェリンガーネット」、黄色味のあるオレンジカラーのものは「マンダリンガーネット」という商業名を付けて販売されることがあります。
◯ ヘソナイトガーネット
グロッシュラーガーネットの一種で、オレンジやオレンジレッドのものをヘソナイトガーネットと呼びます。
マンガンと鉄が含まれることで、オレンジや茶色を発色すると考えられています。
◯マラヤガーネット
パイロープとスペサルティン、または、パイロープ、スペサルティン、アルマンディンの3種が混ざり合った固溶体です。ピンク〜オレンジ色を呈します。
◯マリガーネット
マリ共和国で近年発見された、グロッシュラーとアンドラダイトの混ざり合ったガーネットです。
緑色・黄色・赤茶色・茶色などに加えてバイカラー等の混色も含む幅広い色合いを持つこと、屈折率がコランダムと同等の高さで、よく輝くことなどから、最近人気が上がっています。

全ての種類はご紹介し切れませんでしたが、ガーネットは量も種類も多く、一部を除けば価格も手頃で、親しみやすい宝石だと思います。
【本日のお散歩】
日中はまだ気温が上がりそうですが、朝のうちは涼しくて空も明るく、快適な散歩ができました。
ルビーもこの季節は目に見えて足取りが軽いです。

ローズマリーがあちこちで返り咲きしていました。どうやら、しっかり成長した株は秋にも少し返り咲くようです。
