『デマントイドガーネット』
(宝石日誌第38回 (2022年10月9日)前半より)
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【前置き〜ガーネットは多様性の高い鉱物グループ】 ガーネット(和名 柘榴石)は、一つの鉱物名ではありません。 近い関係にあり、特性が似ている珪酸塩鉱物のグループを、成分が異なるものも含め、まとめてガーネットと呼んでいるものです。 全般として、モース硬度は6.5〜7.5と十分な硬さがあり、割れやすい劈開性もないので、扱いやすい宝石です。表面にはガラス光沢があります。 柘榴石の和名のとおり、濃い赤のものが代表的というイメージがありますが、実際には無色、グリーン、ブルー、レッド、オレンジ、ピンク、イエロー、褐色など多彩なバリエーションがあり、変色効果を示すものもあります。 誕生石は概ね各月2種類以上ありますが、1月だけはガーネットのみとなっています。これもガーネットの種類や色が多いことから、一つで十分ですよ、と判断されたのだろうと思います。 |
デマントイドガーネットは、19世紀の半ばにロシアで発見されました。
深味のあるグリーンが印象的で、屈折率(約1.85)、分散度(約0.06)ともに高く、ダイアモンドのようなきらめきを示すことから、ダイアのような、という意味の「デマントイド Demantoid」と名付けられました。

ガーネットの種類としては、主成分がカルシウムの「アンドラダイトガーネット」という区分に入ります。微量元素のクロムによって緑に発色するとされています。
最初に発見されたウラル地方の鉱山では、結晶に線状の内包物(インクルージョン)が含まれ、光の加減で馬の尻尾のようなきらめきが浮かび上がるものが多く産出し、「ホーステール
インクルージョン」と呼ばれて珍重されました。
現在デマントイドガーネットは世界各地で採掘されていますが、人気に対して産出量は少なく、パパラチャ(サファイア)、パライバトルマリンと並んで世界三大稀少石の一つと位置付けられています。
採掘されたものに大粒の石は少なく、0.5ct未満のものが販売の中心となっています。
ジュエリーに仕立てる場合、メインの石とするよりも、脇石とするか、小粒なメレサイズのものをまとめて使うことが多いようです。

写真のペンダントトップもその一例で、ムーンストーンを主石、小粒のデマントイドガーネットを脇石としてアクセントを付けたハンドメイド作品です。
デマントイドは名前のとおりダイアに似て輝きが強いので、小粒でもなかなかの存在感を発揮してくれます。
色も主張が強過ぎるような濃さではないので、値段は高いものの、小粒なものを選んでも案外といろんなところに使いやすい宝石だと思います。