(トップページへ 戻る

『東京ジュエリーフェス』 

(宝石日誌第183回(202378日)より)


7月8日(土)に、東京ビッグサイトで開催された東京ジュエリーフェスに行ってきました。

加工後のジュエリーが中心で、ルースの扱いは少ないだろうと思っていたのですが、意外にルース専門店やジュエリー+ルースのお店も多かったのがうれしい驚きでした。

 

今回見て回った中で「特に印象的だったのものが2つあります。

 

1つは、カラーダイヤモンド専門店というお店に飾ってあった1ct のレッドダイヤモンドです。

並み居るピンクや青など各色のダイヤを従えて、ナチュラルで赤く輝くレッドダイヤは圧巻の存在感でした。

これほどの品を見たのは初めてで、絶対に買えないながらも、店主に価格を聞いたところ、3億5千万円、という答がありました。

色の良いレッドダイヤは、0.1ctでも1千万円級が当たり前のようなので、ほぼ想像通りの値段でした。

セレブでもそうおいそれとは買えないでしょうね。見られただけでもラッキーでした。

 

もう一つは、新入荷のブラジル産アレキサンドライトです。

同一ロットというわけでもないのでしょうが、いくつかの店で似た雰囲気の石が置いてありました。

今回見たアレキサンドライトの特長は、LED照明の下で、今まで見たことがあまりないような綺麗な緑色に光ることです。普段見かけるものの大半は、それほど緑が強くない青緑のものが多く、今回のアレキサンドライトの明瞭な緑は非常に印象的でした。

そして、白熱灯の光を当てると、それが柔らかいピンクに変化します。変色が緑からピンクとなんともドラマチックで、「昼はエメラルド、夜はルビー」とうたわれたという初期のアレキサンドライトを想像させました。

 

迷ったのですが、この色を手元に置きたくて、ごく小さめのサイズで一石、自分用に購入しました。

同時に鑑別書の手配もお願いしたので、鑑別機関に出して、3〜4週間後くらいに届くはずです。

写真だとそれほど緑に見えませんが、実物はかなりはっきりと緑を主張しています。

 

結局、7月1日に行ったジュエリーマルシェ in 原宿の戦利品も整理しきれないうちに、また石を買い込んでしまったわけで、我ながらお約束通りの展開でした。

 

また別の店では、色合いのいいパライバトルマリンを一つ購入しました。

日本宝石科学協会のソーティング付きで、少し古いものなのか、ソーティングの印字の一部がかすれて読めなくなっていたのがやや気になりつつも、店員さんにショーケースから出してもらった他の石とも比較しながら、検討しました。

 

結局、0.46ctと程よいサイズ感であること、オーバル(楕円形)で使いやすい形をしていたこと、緑より青が優った色合いが気に入ったこととさらに値段とも相談して、こちらの石の方を購入することにしました。


ところで、ルース購入の手引きなど入門書では大抵、購入前に必ずルースケースから石を出して、汚れや傷がないかを確認すること、と書かれています。


ですが最近、優美堂さんやニミットジェムスさん、ジェメリさんなどでルースを購入する際には、あまりケースを開けて直接石を見ることはしていませんでした。


基本的に傷や欠けのある石を扱っていないこと、客が多く忙しいときに場所を塞いで時間をかけてルースを点検するのに気兼ねすることが理由でした。それに一度高価なルースを誤って床に落としたこともあって、落としたりすると申し訳ないし、という意識も働きます。

 

これまでそれで特に問題ありませんでしたが、この日はサプライズがありました。

 

購入したパライバトルマリンを自宅に持ち帰った翌日、サイズを確認して写真を撮ろうとルースの蓋を開けて石をチェックしたとき、ガードルの縁、石を縦に置いて2時の方向のあたりに小さな欠けがあることに気がつきました。

欠けを見落としてしまったな、と思って、石を傾けてさらに裏側を見ると、ガードルのすぐ下から中央部にかけて、かなりの大きさで、石がえぐれたように削られていました。

この大きさのえぐれがあると、正直ルースが構造的に弱くなっていないかが心配です。お店で一緒に石を見てくれた店員の女性も、この欠陥については何も言っていませんでした(おそらく、ルースケースの中の石を見ただけでは、私同様に気づかなかったのだろうと思います)。

 

いただいた名刺の宛先にとりあえずメールで、ご相談したいことがあると連絡し、写真を添えて、石に予想外の欠けがあったので、お店の人と対応を相談してほしいと伝えました。

 

もしかすると店の方でも、隠れた部分の欠陥に気づかずに店頭に出してしまったのかなと考えていましたが、返ってきた答は、欠けも折り込み済みで安値で出していたものですよ、とのことでした。
色石に関しては、欠けがあるものもありますが、欠けを考慮して値段をつけているとの説明がありました。

この石は、欠けがあるものの、色味やカットが良いので、相場より低く販売していたということのようです。

 

そう言われるとしょうがありませんので、欠けを目立たせず、石に衝撃を与えにくい使い方を検討するしかありません。

こういったサプライズを避けるには「ルースケースを開けて直接石を確認する」という基本を守ることがやっぱり大事なんだな、と身に染みました。