『冬の国際宝飾展』
宝石日誌第107回(2023年1月15日)より
1月13日に、冬の国際宝飾展(於 東京ビッグサイト)に行ってきました。
宝石に関するセミナーを受講し、その後会場内のブースを見てまわりました。
セミナーの内容や会場の模様などを簡単にご報告します。

【セミナーについて】
「宝石の学識〜エメラルドの基礎知識〜」のセミナーを受講しました。
聞いたことの概要は以下のとおりです。
◯最初に エメラルドの需要
エメラルドは言わずと知れた4大宝石の一つで、緑の代表的な宝石です。
鑑別依頼のある宝石の中で、エメラルドは全体の19%と、最大の割合を占めているそうで、宝石としての根強い人気がわかります。
なお、2位〜5位は次のとおりです。
2位 ブルーサファイア
ルビー
各16%
4位 ダイアモンド 12%
5位 翡翠輝石
11%
◯章立て
セミナーでは、順に
・エメラルドの性質
・化学組成
・二つの生成過程と相違点
・合成エメラルド
・産地ごとの特徴
・インクルージョンの見方
に分けて、それぞれ興味深いお話が聞けました。
◯奇跡の石
エメラルドはクロムが含まれることによって緑を発色しますが、ベリルを構成するベリリウムと、クロムが含まれるマグマ等は、通常全く異なる場所に存在しており、エメラルドは奇跡的な偶然によって生まれた石です。(この点はレッドベリルも同じで、さらに稀な偶然によります)
◯生成過程
エメラルドは「熱水鉱床」と「変成関連鉱床」の二とおりの場所で見つかり、前者はコロンビアのムソー鉱山他数か所のみで、残りのほとんどは後者に該当するそうです。
生成過程によって微妙に成分も変わってくるため、採掘された場所によって屈折率が違うという現象が見られ、産地鑑別の手がかりの一つとなっているそうです。
◯合成エメラルド
20世紀前半に合成が成功して以来、いくつもの会社がエメラルドの合成を手がけてきたそうです。

最初に開発されたのが「フラックス法」で、エメラルドの結晶のカケラを高熱で溶かし、種結晶の周囲で再結晶させます。概ね1日程度で完成します。
後に開発されたのが「熱水法」で、結晶のカケラを水溶液に溶かしてゆっくり再結晶させます。完成には何十日もかかります。
合成結晶は天然エメラルドと成分も同じで、肉眼では判別できませんが、特別な顕微鏡で拡大すると、合成石特有の結晶の成長線が見られるため、機材さえ整っていれば判別は容易だとのことです。
◯インクルージョン
コロンビア産エメラルドには、気体、液体、固体それぞれの(三相)インクルージョンが見られることが特徴です。
産地によってインクルージョンにも微妙な差異があり、産地鑑別の手がかりとなっているそうです。
【当日の戦利品について】
今回は控えめに3つの石を購入しました。
◯レッドスピネル <株式会社ミタルズ>

良質のレッドスピネル(オーバル型)が大幅値下げされていたので、思わず買ってしまいました。
(赤い宝石のマイランキングは、レッドベリル、レッドスピネル、ルビーの順です。)
なおこのお店は、2022年10月の「秋の国際宝飾展」で、色石のセミナーの講師をされたカピル・ミタルさんのお店です。(お店のサイトは こちら)
◯アレキサンドライトキャッツアイ
◯クロムトルマリン <トップストーン>
珍しいクロムを含んだ鮮緑色のトルマリン(トリリアント型)と、シャトヤンシー(キャッツアイ)効果を見せるアレキサンドライト(カボションカット)を買いました。



国際宝飾展は昨年に続き2回目の訪問ですが、今回も勉強になり、充実した時間を過ごせました。
ただ、来場者が前回よりもずっと減っていたのが少し気になりました。
出展社にも、今回は人出が少なく手が空いてしまうと話されている方がいました。
たまたまかもしれませんが、もしかすると経済環境から宝石の需要が減少していることの現れかもしれません。
【本日のお散歩】
ここ数日は雨がちで、雨が少し止んだ時間に散歩に出ました。


やはり晴れている方がルビーもテンション上がるようです。
今朝はオナガを数羽見かけました。
鳴き声はガァガァと濁っていて、カラスの仲間(カラス科)だとうなずけます。
黒に近い紺色の頭、喉元から広がる白から灰色のグラデーション、翼の灰青色などクールな配色で、ファンの多い鳥です。

カラスにも本当は同じように模様やグラデーションがあるのかもしれませんが、紫外線領域での色の差なので、我々には黒一色にしか見えないのが残念です。